学校の登校をやめた後の、世田谷区のメタバース登校の話

中学生


学校に見切りをつけた後の話。

いくら見切りをつけたと言っても、義務教育の中学校。
どうしても最低限の関わりは残る。

このときの私は、登校を試みるのをやめただけで、まだ少しの望みを持っていた。
教室には入れないけれど少し精神的に落ち着けば、高校生になる頃にはまた学校に戻れるんじゃないか。
そう思っていたのだ。

そうなると、親としてどうしても頭をよぎるのが「出席日数」の問題だった。
もし高校に行くとなった場合、このまま全く出席がない状態では進路の選択肢が狭まってしまうのではないか。そんな焦りがあった。

インターネットで世田谷区の不登校支援について検索していて見つけた
当時はじまったばかりだという「ほっとルームせたがYah!オンライン」という
メタバース(仮想空間)を活用した登校支援だった。
調べてみると、2022年からスタートした試みらしい。

後に学校の先生やスクールカウンセラーに「こういうのがあるんですね」と尋ねてみたけれど、
誰もその存在を知らなかった。
肌感覚だけれど、こうした行政の支援情報が学校の先生側から積極的に降りてくることはほとんどないのが現実なのだと思う。

結局いつも、子どもの状態を見ながら、自力で調べて右往左往するのは親の役割。

不登校の親って、目の前で傷ついているわが子を見て自分自身もメンタルを削られているし、日々の対応だけでもういっぱいいっぱい。

なのにそれと同時に、「この子のこれからの環境、どうしたらいいんだろう?」っていう未来のことも、考える。

正直、親も心はパニックだ。
常に重い決断を迫られているようなもの。
だからこそ、せめて情報くらい、学校側から自然と入ってくる仕組みがあればいいのに、と思ってしまう。

目次

充実したサービスと、現場への届かなさ

世田谷区は、23区の中でも不登校児に関しての配慮やサポート体制自体は、とても行き届いている区だと思う。 実際に用意されている選択肢は、とても充実している。

  • 教育相談:区の施設に行って直接相談ができる
  • 専門スタッフの配置:スクールカウンセラーが週3回、教員免許を持ったスクールソーシャルワーカーも週1回、学校に配置されている(※2026年3月時点)
  • ほっとスクール:学校に戻ることを目指さなくてもいい、フリースクールのような通所型の居場所
  • メタバース登校支援:自宅からオンラインで繋がれる居場所

この「ほっとルームせたがYah!オンライン」はリアルのフリースクールと同様に、学校の校長先生が認めれば、ログインして活動することで「出席扱い」になる、という点がよかった。

運営は、家庭教師などで知られる株式会社トライグループが受託している。
週2回の開設ではあるけれど、自宅にいながら少しでも出席日数が稼げるのであれば、
今の娘にとってこれは最善なのではないか。

私は申し込みの手続きを進めることにした。

ほっとルームせたがYah!オンライン 申し込みの流れ

世田谷区
ほっとルームせたがYah!オンライン(ONLINE) 不登校および不登校傾向の児童・生徒を対象に、タブレット型情報端末を利用したオンラインによる支援を行う事業です。

学校は完全にノータッチ。
まずは私がWebの入力フォームから、オンライン説明会の申し込みをすることからスタートした。
不登校の子が多い学校のはずなのに、担任の先生に「こういうのを申し込もうと思っています」と話した際、「へえ、そういうのがあるんですねえ……」と他人事のように言われた。
正直「現場の先生なのに知らないのか」と思ったのを覚えている。

① Webフォームからオンライン説明会を申し込む

世田谷区の中のWebの入力フォームを探し、説明会の予約を入れることからスタート。
申し込んで数日後、オンライン説明会の日程がメールで届いた。

② オンライン説明会への参加

説明会では、普段は非公開になっているメタバース空間の実際の画面や、その中でどんな活動が行われているのかといった具体的な内容を見せてもらうことができた。
うち以外も数人参加していた。
説明を聞くだけでやりとりはなかった。

③ 正式な申し込み

説明会が終わると、正式な申し込みフォームのURLがメールで届く。
そこから手続きを済ませると、行政側での在籍校への通学状況などの確認が行われる。
我が家の場合は、あらかじめ学校側に「申し込む」と伝えてあったため、このあたりの確認はとてもスムーズだった。

④ 教育相談課からの「利用決定通知」

確認が終わると、教育相談課から保護者宛てに正式な「利用決定通知」が届き、在籍校や運営元(トライ)へと報告がいって、いよいよ次のステップへ進む。

⑤運営側のトライによる面接と利用説明

面談の日程調整を経て、オンラインでの面談が行われた。
カメラはオフでもOKという、不登校の子の心理に寄り添った配慮がされていた。
この面談に娘が一緒にいたかどうか、実は少し記憶が曖昧なのだけれど、
私から「今、学校へ行くのがどれだけ困難な状況か」などを説明した。

面談の場では、アカウントの作成方法、これからの利用の仕方を丁寧に教えてもらった。

こうして我が家は、学校の代わりに「メタバース空間」を利用することになった。

次回に続く

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